欧州文化都市の首都となった会場「ブリュッセル2000」の会場デザイン。

公共の空間は風景のようです。モノはあるけれどもそれに対して絶対的な利用の仕方が決定されていないイメージがあります。公共の空間は、いつも人々が群がる空間であり、いわば終わりのない占有地といえます。

私達が提案したプロジェクトは、幅8m、長さ45m、高さが変化する空間をえぐり、彫りおこしたような家具型オブジェクトです。それらは、ビジターのための長いす、ステージ、ベッド、インホメーションデスク、サロン、スペー ス、通路、バーなどにするために形状を変容させていきました。このオレンジの奥行きのある長い空間は、とてもユニークなものとなり、どのように使うかは利用者の想像次第となります。空間は、その形は興味深くまた力強いけれども、材質と構成の快適性は一般的で親しみやすくなっています。オレンジのカラーはめずらしく強烈だが、ブリュッセルの公共交通機関の利用である地下鉄の車両等、日常的にによく利用されています。

建物のA部分では、空間は様々に切り取られて、落ち着いたサロンスペースとなり、中央スペースや多種多様なコーナーに変わります。このオレンジ空間が道側の全スペースに広がる一方、1階の後ろの部分は、年間を通して行われるさまざまなイベント用に自由に開放されています。
建物のB部分では、オレンジ空間はテーブルの高さになり、インフォメーションデスク(受付)に変化します。その水平のスペースは真ん中にふくらみができています。様々なものを展示できるようになっています。テーブルの周辺には、読書スペースとコンピュータスペースを整備しました。

このオレンジ空間は、あらゆる年齢層の、あらゆるジャンルの、またあらゆるスタイルの人々が行きかう場となりました。それは、快適な待ち合わせの場所でもあり、表現、遊びの空間、問いかけのオブジェクトであり、空間に忍びこむような古い丘の稜線のように文化都市のイベントを盛り上げました。

発注者 : Brussels 2000 asbl

敷地 : ブリュッセル市、ベルギー

建築設計 : Shin Bogdan Hagiwara, Thierry Decuypere, Jorn Aram Bihain (V+)

4 月 2000
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